「この場所は1日5万人が通行します。」
OOH媒体の提案書や媒体資料では、こうした数字を目にすることが少なくありません。
確かに、通行量は媒体を比較するうえで欠かせない指標です。
しかし、その数字だけを見て媒体を選んでしまうと、本来得られるはずだった広告効果を見落としてしまう可能性があります。
例えば、同じ「1日5万人」の通行量でも、
では、広告が生活者に与える影響は大きく異なります。
屋外広告は、「どれだけ多くの人に見られたか」だけで成果が決まるメディアではありません。
重要なのは、誰に届いたのか。
そして、その人に何回届いたのか。
今回は、OOHを評価するときに見落とされがちな、この2つの視点について考えてみます。
媒体資料には、
といった数字が並びます。
もちろん、これらは媒体を比較するための重要な指標です。
しかし、これらが示しているのは、
「人がいた」という事実だけです。
そこからは、
までは分かりません。
つまり、量は見えているのに、質は見えていない。
ここがOOH選びで最初に陥りやすいポイントです。
例えば、同じ5万人が通行する場所があるとします。
休日には多くの人で賑わい、
SNSでも話題になる人気スポット。
しかし、
今日見た人は、
明日にはもう来ないかもしれません。
接触は一度きりです。
一方、駅と住宅街を結ぶ道路。
人数は同じでも、
毎朝8時に、
同じ会社員が、
毎日その広告を目にしています。
今日は見た。
明日も見る。
来週も見る。
半年後も見る。
この違いは非常に大きいのです。
マーケティングには、
単純接触効果(ザイオンス効果)
という考え方があります。
人は、
繰り返し目にするものに対して、
安心感や親近感を抱きやすくなるという心理です。
この考え方はOOHと非常に相性が良いと言えます。
毎日通る駅。
毎日見るビル。
毎日目に入る看板。
最初は気にも留めていなかった広告が、
いつの間にか、
「知っている会社」
「見覚えのあるブランド」
「なんとなく安心できる店」
へ変わっていきます。
OOHは、瞬間的に興味を引く広告というより、
生活の風景の中に溶け込みながら、少しずつ信頼を積み重ねていく広告
なのです。
もう一つ重要なのは、
ターゲットとの一致です。
例えば、
高級マンションの販売広告。
通行量だけを見れば、
繁華街の方が圧倒的に多いでしょう。
しかし、
実際に住み替えを検討している層が多い生活圏の方が、
成果につながることも少なくありません。
学習塾であれば、
保護者や学生が通る生活導線。
クリニックなら、
地域住民の日常導線。
採用広告なら、
通勤・通学導線やオフィス街。
つまり、広告主が届けたい人と、
その場所を利用する人が一致しているか。
これが、通行量以上に重要になるケースは数多くあります。
もちろん、すべてのOOHで
「何人見たか」が重要ではない、
と言いたいわけではありません。
例えば、
新商品発売。
映画公開。
大型イベント。
こうした認知を一気に広げたい施策では、
到達人数そのものが重要になります。
一方で、
地域密着型店舗。
住宅展示場。
クリニック。
学習塾。
フィットネス。
こうした商材では、
同じ生活者へ繰り返し接触する方が、
成果につながるケースも多くあります。
つまり、重要なのは、広告の目的によって、見るべき指標を変えることなのです。
ここで初めて、
位置情報データやエリアマーケティングの価値が見えてきます。
知りたいのは、
通行量ではなく、
こうした"人の流れ"です。
OOHは、場所を選ぶ広告ではありません。
生活者との接点を選ぶ広告なのです。
おわりに
その場所が、
どんな生活導線の中にあり、
どんな人と接点を持ち、
どんな行動につながる可能性があるのか。
そんな視点を大切にしています。
さらにevoliaでは、
Location Navigatorをはじめとした位置情報データを活用し、
主要導線や生活圏、人流などを分析しながら、
広告効果を高めるエリアマーケティングをご提案しています。
看板を選ぶ前に、
人を知る。
場所を見る前に、
行動を見る。
そうした視点が、
これからのOOH選びにはますます重要になっていくはずです。
通行量は、OOHを検討する上で欠かせない指標です。
しかし、それだけでは広告の価値を語ることはできません。
重要なのは、
「何人見たか」ではなく、
「誰が、何回見たか」。
そして、その"誰"と"何回"を考えることは、
生活者を理解し、行動を理解することでもあります。
OOHは、媒体を選ぶ広告ではありません。
人との接点を設計する広告です。
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